帯域雑音エッジ聴音程の非線形特性

Submitted 18 May 2022

高いQ値をもつデジタルフィルタで狭帯域雑音を系統発生させ、上界が可聴域上限を超えるようにした、このような刺激列と、対応する正弦波の刺激列を用い、上行と下行の双方で音程識別の認知テストを行ったところ、強いヒステリシスが観測され、帯域雑音での高域周波数認知は、正弦波と比較して弁別が著しく困難であることが判明した。音声言語の子音聴など、ヒト聴覚の高帯域での認知は大半が帯域雑音であり、旧来の正弦波を用いる聴覚検査では検出できなかった、ヒト高周波聴の非線形な特性の存在が明らかになった。